がんをどのようにとらえていますか?
がんを知らない「がん大国」
~検診受診率向上が急務~
日本人は生涯のうち、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんのためになくなるという。
世界一のがん大国といわれる日本では、2007年4月がん対策基本法が施行され、最大の国民病に対する国の取り組みがようやく動き始めた。しかし、国民のがんに対する意識は依然として低く、治癒に向けた体制作りも遅れている。そもそもがんとはどんな病気で、どう立ち向かうべきなのだろうか?東京大学医学部准教授・中川恵一氏のお話によると・・・。

~長寿ががんを生む~
がんは老化の一種と言えます。人間の体はおよそ60兆個の細胞からできていますが、毎日このうち1%、約6千億個の細胞が死に、新たな細胞分裂により補われます。このときに遺伝子の複写(コピー)も6億回行われますが、わずかにコピーミス、つまり突然変異が起き、不死の細胞が生まれます。これががん細胞です。老化が進めば、このミスは起こりやすくなります。長生きをすれば、がん細胞の生まれる確率は高くなるわけです。
最近の研究では、健康な人の体内でも、毎日多数(ある学説では約5千個)のがん細胞が生まれていることが分かってきました。通常は免疫細胞がこれらのがん細胞を退治しています。しかし、どんな守備の名手でも長年試合を行っているとエラーがあるように、免疫細胞も5千勝0敗の戦いをずっと続けるのは困難です。見逃された1つのがん細胞が10年以上かかって成長したのも「がん」なのです。老化が進めば、がん発生率も上がり、免疫側のエラーも起きやすくなります。日本は世界一の長寿国となりましたが、世界一のがん大国になったのも当然かも知れません。
~検診受診率は低水準~
しかし、がん大国である日本は、実はがん対策においては後進国です。米国などでは、がんによる死亡者数は減っていますが、日本では増え続けています。検査や治療の技術が劣っているわけではありません。がんに対する意識の低さがその要因と思われます。がんは早期がんか進行がんかで、別の病気といっていいほど治癒率が異なります。早期がんの段階で適切に治療すれば治癒率が高くなります。よって早期発見、つまり定期的な検診の受診が非常に大事です。乳がん、子宮頸がん、大腸がん、この3つは特に検診が有効といわれていますが、欧米ではこれらの受診率が8割近くであるのに対し、日本では2割程度。がんに対し、きちんと向き合っていないこの差が日本におけるがんの死亡者数を押し上げています。
~学校でのがん教育も必要~
では、なぜ日本人はがんと向き合えないていないのか?それは日本人が、がんのことを知らない、あるいは知りたがらないからではないでしょうか?その背景には死生観の変化が見て取れます。核家族が進み、祖父母と同居する子供は少なくなりました。また、ほとんどの人が病院で最後のときを迎え、家の中に老いや死を感じさせるものが見当たりません。この結果多くの日本人にとって死は希薄なものになったように思えます。唯一、死を連想させるのが、がんと言っていい状況では目をそらしたくなるのも無理はないでしょう。しかし、2人に1人が、がんになるのでは無視し続けることはできません。どんな戦いにも相手のことを知らずに立ち向かえば、結果は危ういものになります。学校でもがんについて教育を行うべきだと考えています。
~がんで亡くならないために~
遺伝子のコピーミスにより発生するがんは、どんな聖人君子にも起こりえます。しかし、その可能性を下げる、または早期発見・早期治療による治癒は可能です。そのために大事な点は2つ。生活習慣の改善と定期的な健診の受診です。喫煙や飲酒の習慣を改め、食生活や運動など日常生活の改善で発生率を下げ、さらに定期的な検診による早期発見・早期治療で治癒率を上げる2つの組み合わせにより、がんで亡くなる可能性を数分の一に下げられます。
がんと向き合う3か条
1、生活習慣の改善とがん検診はセットで
2、情報を集め、自分に合う治療法を選ぶ
3、痛みは取り、がんと共に長生きする
(日本産経新聞広告より)
詳しくは中川恵一さんの講演を聴いてみてはいかがですか?
がんと向き合う新たなきっかけになるかも知れません。
水戸講演会のご案内
日時:2010年3月28日 日曜日 13:00~
場所:ひたちなか市文化会館 大ホール
費用:800円
定員:1200名
プロフィール
中川恵一先生
東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部長。
1960年東京生まれ。1985年東京大学医学部医学科卒業。
スイスPaul Sherrer Institute留学を経て2003年から現職。
厚生労働省「がんに関する普及啓発懇談会」座長を務める。
主な著書に「ビジュアル版がんの教科書」
「いのちと向き合う一老いと日本人とがんの壁」などがある。
~検診受診率向上が急務~
日本人は生涯のうち、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんのためになくなるという。
世界一のがん大国といわれる日本では、2007年4月がん対策基本法が施行され、最大の国民病に対する国の取り組みがようやく動き始めた。しかし、国民のがんに対する意識は依然として低く、治癒に向けた体制作りも遅れている。そもそもがんとはどんな病気で、どう立ち向かうべきなのだろうか?東京大学医学部准教授・中川恵一氏のお話によると・・・。

~長寿ががんを生む~
がんは老化の一種と言えます。人間の体はおよそ60兆個の細胞からできていますが、毎日このうち1%、約6千億個の細胞が死に、新たな細胞分裂により補われます。このときに遺伝子の複写(コピー)も6億回行われますが、わずかにコピーミス、つまり突然変異が起き、不死の細胞が生まれます。これががん細胞です。老化が進めば、このミスは起こりやすくなります。長生きをすれば、がん細胞の生まれる確率は高くなるわけです。
最近の研究では、健康な人の体内でも、毎日多数(ある学説では約5千個)のがん細胞が生まれていることが分かってきました。通常は免疫細胞がこれらのがん細胞を退治しています。しかし、どんな守備の名手でも長年試合を行っているとエラーがあるように、免疫細胞も5千勝0敗の戦いをずっと続けるのは困難です。見逃された1つのがん細胞が10年以上かかって成長したのも「がん」なのです。老化が進めば、がん発生率も上がり、免疫側のエラーも起きやすくなります。日本は世界一の長寿国となりましたが、世界一のがん大国になったのも当然かも知れません。
~検診受診率は低水準~
しかし、がん大国である日本は、実はがん対策においては後進国です。米国などでは、がんによる死亡者数は減っていますが、日本では増え続けています。検査や治療の技術が劣っているわけではありません。がんに対する意識の低さがその要因と思われます。がんは早期がんか進行がんかで、別の病気といっていいほど治癒率が異なります。早期がんの段階で適切に治療すれば治癒率が高くなります。よって早期発見、つまり定期的な検診の受診が非常に大事です。乳がん、子宮頸がん、大腸がん、この3つは特に検診が有効といわれていますが、欧米ではこれらの受診率が8割近くであるのに対し、日本では2割程度。がんに対し、きちんと向き合っていないこの差が日本におけるがんの死亡者数を押し上げています。
~学校でのがん教育も必要~
では、なぜ日本人はがんと向き合えないていないのか?それは日本人が、がんのことを知らない、あるいは知りたがらないからではないでしょうか?その背景には死生観の変化が見て取れます。核家族が進み、祖父母と同居する子供は少なくなりました。また、ほとんどの人が病院で最後のときを迎え、家の中に老いや死を感じさせるものが見当たりません。この結果多くの日本人にとって死は希薄なものになったように思えます。唯一、死を連想させるのが、がんと言っていい状況では目をそらしたくなるのも無理はないでしょう。しかし、2人に1人が、がんになるのでは無視し続けることはできません。どんな戦いにも相手のことを知らずに立ち向かえば、結果は危ういものになります。学校でもがんについて教育を行うべきだと考えています。
~がんで亡くならないために~
遺伝子のコピーミスにより発生するがんは、どんな聖人君子にも起こりえます。しかし、その可能性を下げる、または早期発見・早期治療による治癒は可能です。そのために大事な点は2つ。生活習慣の改善と定期的な健診の受診です。喫煙や飲酒の習慣を改め、食生活や運動など日常生活の改善で発生率を下げ、さらに定期的な検診による早期発見・早期治療で治癒率を上げる2つの組み合わせにより、がんで亡くなる可能性を数分の一に下げられます。
がんと向き合う3か条
1、生活習慣の改善とがん検診はセットで
2、情報を集め、自分に合う治療法を選ぶ
3、痛みは取り、がんと共に長生きする
(日本産経新聞広告より)
詳しくは中川恵一さんの講演を聴いてみてはいかがですか?
がんと向き合う新たなきっかけになるかも知れません。
水戸講演会のご案内
日時:2010年3月28日 日曜日 13:00~
場所:ひたちなか市文化会館 大ホール
費用:800円
定員:1200名
プロフィール
中川恵一先生
東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部長。
1960年東京生まれ。1985年東京大学医学部医学科卒業。
スイスPaul Sherrer Institute留学を経て2003年から現職。
厚生労働省「がんに関する普及啓発懇談会」座長を務める。
主な著書に「ビジュアル版がんの教科書」
「いのちと向き合う一老いと日本人とがんの壁」などがある。



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